2026年9月4日(金)−5日(土)に名城大学で開催された、全国大学生協連合会全国教職員委員会主催の「2026 全国教職員セミナー in 名古屋」に参加し、「藤前干潟(ラムサール条約登録湿地)環境省稲永ビジターセンター」見学会を行いました。朴 恵淑「三重GPN」代表幹事・三重大学地域イノベーション学研究科客員教授は、全国大学生協連合会全国教職員委員会委員を長年務めており、「藤前干潟(ラムサール条約登録湿地)環境省稲永ビジターセンター見学」の担当者として関わりました。
9月4日(金)−5(土)の午前は、「2026 全国教職員セミナー in 名古屋」のテーマである「組合員の学びと暮らしのために大学生協の役割と価値を高める〜平和とより良い社会に向けて次の一歩を踏み出す」に基づき、全体会が行われ、「大学生協の価値を捉え直す」「大学生協の価値を実践で示す〜2030 Goalsから始まる未来づくり」「大学と歩む協同の実践〜Good Practiceに学ぶ」が行われました。分科会(分科会1「大学生協が提案するスタディエッセンシャルズとは」分科会2「大学生協による食の“多面的な機能”」分科会3「若者と民主主義の今を考える」分科会4「環境と健康を守り防災を進める“頑健な”大学生協をめざして」)が行われました。
引き続き、9月5日(土)の午後からは、朴 恵淑「三重GPN」代表幹事・三重大学地域イノベーション学研究科客員教授が担当するオプション企画が実施され、「藤前干潟の歴史と身近な生物多様性を知る」をテーマに、「藤前干潟(ラムサール条約登録湿地)環境省稲永ビジターセンター」見学会が行われました。
「藤前干潟」は、名古屋港に流入する庄内川、新川、日光川の河口部に広がる約300haの干潟です。 国内有数の渡り鳥の中継地で、毎年数多くの水鳥が飛来します。シベリアなど北半球の繁殖地とオセアニアなど南半球の越冬地を往復しているシギやチドリの中継地となっています。「藤前干潟」は、2002年11月18日にスペインのバレンシアで開催された「ラムサール条約」会議において登録されており、渡り鳥が多く飛来する場所として、生物多様性について学べる貴重な干潟であります。「ラムサール条約」は、1971年にイランのラムサールで開催された「湿地及び水鳥の保全のための国際会議」において、水鳥の生息地等として国際的に重要な湿地とそこに生息・生育する動植物の保全を促進することを目的に「ラムサール条約」の採択、1975年12月に発効され、今日に至っています。
1981年に名古屋市より、「藤前干潟」をごみの埋立処分場にする計画が発表されましたが、「藤前干潟」は、渡り鳥をはじめ多くの生き物にとって大切な干潟であったため、「命を思いやる想像力」をもってごみ問題に取り組み、藤前干潟を守りたいとの市民の声が高まりました。ゴミの処理が大切か、生き物が大切かの議論の末、「ごみの処理も生き物もどちらも大切」として、1999年1月にごみの埋め立て計画を中止し、2月にごみを大幅に減らす「ごみ非常事態宣言」を出しました。名古屋市民の力を合わせてごみ分別・リサイクルに取り組んだ結果、ごみの大幅な削減に成功しました。ごみの埋立量は、1998年の約26万トンから2018年には約4万トンと減量され、約80%のごみ減量に成功し、「藤前干潟」は、名古屋市の環境行政の転換を象徴する場所となり、名古屋の「環境の原点」と呼ばれています。また、名古屋市は、このような過程を経て、2025年1月にスイスのグランで開催された、ラムサール条約第64回常設委員会において、「ラムサール条約湿地自治体認証制度」に基づく「ラムサール条約湿地自治体」として認証されました。名古屋市は、生物多様性において、グローバルとローカルを繋ぐ「グローカル自治体」のトップランナーとして、さらなる発展的展開が大いに期待されるようになりました。
伊勢湾には、埋立てや干拓により、多くの干潟が失われましたが、「藤前干潟」は、市民の環境運動と名古屋市の環境政策により守られました。環境省は、「藤前干潟」を国指定鳥獣保護区特別保護地区に指定し、埋立て・干拓・工作物の設置などを制限することで、干潟を守ることにし、「藤前干潟」が渡り鳥の中継地として国際的にも重要であることが認められ、2002年11月18日には「ラムサール条約」に登録されました。
「藤前干潟(ラムサール条約登録湿地)環境省稲永ビジターセンター(https://fujimae-higata.jp/)」は、「藤前干潟」全体と干潟周辺地域の自然保護・活用のための情報収集と情報発信を行う施設で、日本や世界の「ラムサール条約登録湿地」に関する情報なども発信しています。「稲永ビジターセンター」は、「藤前干潟」について学ぶ・「藤前干潟」の渡り鳥について学ぶ・「ラムサール条約」を学ぶ・「生物多様性」を学ぶなど、多様な学習プログラムを運営しています。
「藤前干潟(ラムサール条約登録湿地)の環境省稲永ビジターセンター」の間部裕子職員から、藤前干潟のラムサール条約登録湿地に至る過程および環境省稲永ビジターセンターの役割、展示物についての説明が行われました。また、レクチャー室において、藤前干潟にやってくる渡り鳥に関するDVDの「渡り鳥のオアシス」および藤前干潟保全までの歴史と現在、藤前干潟の食物連鎖に関するDVDの「藤前干潟〜命のつながりが私たちの未来をつなぐ」を観ました。
さらに、藤前干潟のバードウォッチングを行い、2002年11月の「ラムサール条約」開催地のスペインのバレンシアから運ばれた石を用いた、藤前干潟のラムサール条約登録のモニュメントを見ることができ、渡り鳥の動きなどについて学ぶことができました。その後、次世代を担う若者への環境教育についても活発な意見交換を行いました。
「三重GPN」は、環境・経済・社会の調和を図る持続可能な社会創生を図るSDGsの目標達成、循環型社会創生、脱炭素社会創生のために、三重県のみならず、中部・東海地域の産官学民との緊密な連携を図るプラットフォームとして、社会的責任(CSR; Corporate Social Responsibility)を果たすだけでなく、共通価値の創造(CSV; Creating Shared Value)を目指した活動を積極的に行います。




