2026年4月9日(木)に、国立大学法人三重大学朴 恵淑研究室/三重GPN事務局において、公益財団法人三千年の未来会議の矢野康明主任研究員と朴 恵淑名誉教授・地域イノベーション学研究科客員教授/三重GPN代表幹事、水木千春地域イノベーション学研究科准教授、安部大樹人文学部特任助教/三重GPN事務局とで、流域の地域循環共生圏(グローカルSDGs)の創生に向けた意見交換会を行いました。
公益財団法人三千年の未来会議の矢野康明主任研究員から、三千年の未来会議の事業内容について説明がありました。現代文明が人類の生存環境を蝕んできたことに気づき、生命をつなぐための環境創造の道筋を見出すため、日本の文化と地域社会の創生を目的とするとともに、その目的に資するための事業を行なっていることへの説明がありました。主な事業内容として、気候危機、感染症危機についての最新科学情報に関するセミナー・講座などの開催、自然への畏敬の念を根幹とする祭りや神楽などの文化遺産を通じた気候危機からの創生のための啓蒙活動、地球環境、特に水の大切さを訴求する文化、芸術などを国内外に発信することについて言及されました。事業実績として、宗像国際環境会議の共催、伊勢セミナーの主催、グローカルSDGs全国大会の共催など、日本全国の流域圏において、地域と社会の変革のために何をすべきかについて積極的な活動を行っていることが紹介されました。
続いて、三重大学の朴 恵淑名誉教授・地域イノベーション学研究科客員教授/GPN代表幹事と水木千春地域イノベーション学研究科准教授と安部大樹人文学部特任助教/三重GPN事務局と、福井弘道中部大学中部高等学術研究所長と古澤礼太中部大学国際ESD-SDGsセンター長との共同研究の「流域圏SDGs評価モデルの構築に関する研究―持続可能な流域圏のデザインに向けた指標活用の検討」の研究成果および今後の取り組みについて説明を行いました。研究方法として、SDGsの目標11(住み続けられるまちづくりを)を中心に、「環境・経済・社会」のローカル指標を選定し、伊勢・三河湾の主要13河川流域のSDGs評価の実施結果について言及しました。特に、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとして、世界158ヵ国の国と地域が参加された「大阪・関西万博2025」において、2025年5月6日(火)に「いのちをつなぐ水と流域・地球市民フォーラム」を開催し、物質的繁栄と技術革新を礎として都市を中心に発展した近代の文明とは異なる、人間と自然の多様性に基づく持続可能性を考慮にした「流域圏文明の創造」が必要不可欠であることが国内外に大きくアピールできたことを挙げました。また、流域圏における、防災・環境保全・文化継承・持続可能な教育(ESD)を通じた次世代人材育成・市民連携・産官学民との横断的連携を図り、さらなる発展的展開を図る戦略が言及されました。
さらに、三千年の未来会議の矢野康明主任研究員は、2025年6月28日(土)−29日(日)に開催された「Glocal SDGs全国大会 in 琵琶湖」でのオペラ「みづち」の上演について述べました。流域の地域連携と国内外への展開をLocalからGlobalに発展することを目指し、Glocalな美しきふるさと「流域の地域循環共生圏/Glocal SDGs」を掲げ、地球の叫び・オペラ「みづち」の上演にあわせて開催されたことが話されました。近年の地球温暖化による地球沸騰は、各地で豪雨災害、干ばつ、山火事、磯焼けをもたらしており、いのちと美しきふるさとを子々孫々に継承するには、森里川海の循環と恵みを「流域」の地域連携によって支えあうための結束が必要不可欠であることから、環境省と公益財団法人三千年の未来会議との共同事業として開催されたことが言及されました。日本の文化と古くから培われた祭りや神楽は、天変地異や感染症に多くの命を失った恐怖から平癒への祈りとして捧げられてきた歴史があり、日本の伝統文化、芸術を国内外に伝えることも、未来へのいのちを繋ぐ大切な取り組みのひとつであることが強調されました。
最後に、2026年4月17日(金)午後12時30分から3時30分までに、伊勢市の神宮会館で開催予定の「第三回伊勢セミナー日本からの常若の発信」について、意見交換が行われました。山極壽一総合地球環境学研究所所長による基調講演の「日本人の自然観と人類文明の行方」が行われ、安宅和人慶應義塾大学教授、新井良亮(株)脱炭素化支援機構社外取締役、小祝政明(株)ジャパンバイオファーム代表取締役、福井弘道中部大学中部高等学術長による話題提供とコーディネーターの多田明弘(公財)三千年の未来会議理事とのパネルディスカッションが行われます。
「三重GPN」は、「第三回伊勢セミナー」の趣旨に賛同し、後援団体として関わることで、環境・経済・社会の調和の取れた持続可能な循環型社会三重創生(サーキュラーエコノミー)・脱炭素社会三重創生(カーボンニュートラル)のさらなる発展的展開に寄与できる大変重要な機会として考えています。「三重GPN」の多くの会員の参加によって、1+1は単なる2になるだけでなく、100にも、200にもなり、常若の三重県が、常に活気溢れる持続可能な流域圏形成のトップランナーとなれる飛躍を期待しています。


